【自分に合った働き方】会社員とフリーランスを徹底比較
このまま会社員として働くべき?それとも今流行りのフリーランス?
あなたは、どちらの働き方が自分に向いているのか、考えたことはありますか。
現実的に考えると、各々の金銭的特徴や自分の性格、現状のスキルなどを考慮し、総合的に判断する必要がありますよね。
とは言っても、比較材料を揃えるのが難しい・・・
そんな方に向けて、現役フリーランスが感じる違いについてまとめました。働き方に迷いがある方は、参考にしてみてください。
・独立したいと思っているが漠然とした不安がある方
・フリーランスに憧れている方
・フラットな目線でフリーランスと会社員を比較したい方
税金について比較
まず、会社員とフリーランスで大きく異なる点は税金だと感じます。
それぞれ、納付する税金を以下項目を表にまとめました。
会社員 | フリーランス | |
---|---|---|
所得税 | 給与から天引き | 確定申告して納付 |
住民税 | 給与から天引き | 確定申告して納付 |
社会保険料・健康保険料 | 会社と折半(社会保険) | 個人負担(国民健康保険) |
雇用保険料 | 会社と折半 | なし |
年金保険料 | 会社と折半(厚生年金) | 個人負担(国民年金) |
個人事業税 | なし | 確定申告して納付 |
一番大きな違いは、フリーランスだと稼ぎがなくても住民税や国民健康保険、国民年金を納付しなければならないという点です。(フリーランスに限らず主夫・主婦の方も同じですね・・・)
500万円で納税額シミュレーション
会社員・フリーランスでそれぞれ年収(利益)500万円の場合、どれくらいの違いが出るかシミュレーションをしてみました。
※実際にはフリーランスは所得の構成や適用される税制、控除や経費などによって大きく異なります。
※20~39歳・独身の場合で算出しています。
会社員 | フリーランス(青色申告) | |
---|---|---|
所得税 | 約137,800円 | 約227,100円 |
住民税 | 約245,300円 | 約334,600円 |
社会保険料・健康保険料 | 約246,000円 | 約425,200円 |
厚生年金・国民年金 | 約450,180円 | 約198,420円(毎年異なる) |
雇用保険料 | 約30,000円 | なし |
個人事業税 | なし | 約105,000円 |
手取り額 | 約3,890,720円 | 約3,709,860円 |
※フリーランスは、事業収入500万–経費0円=事業所得500万の場合で算出しています。
※国民健康保険料は市区町村によって金額が異なります。
※国民年金保険料は令和5年の金額、月額16,520円×12ヶ月で算出しています。
この表を見ると、あまり大きな違いはなさそうだね。
個人的には、単純比較だとわからないメリット・デメリットが多いという印象かな。
金銭面での特徴を5つご紹介
次に、単純比較以外の面でどう変わるかをご紹介します。
01:フリーランスの場合、控除額や経費に左右される
フリーランスの場合は、控除額や経費によって所得額が大きく異なります。
その結果、同じ売上でも所得に差がでて、納税額が変わります。
例えば、自宅で仕事をしている場合、家賃や光熱費、水道代も一部経費として計上可能です。その他、仕事でも車を使っている場合、ガソリン代も一部経費。
仕事に関わる書籍を購入した場合は、全額経費計上できます。
そのように、必要経費を計上することで所得額が変わるので、納税額が下がる場合が多いです。
02:フリーランスの場合、将来受け取る年金が少ない
日本の年金は、20歳以上60歳未満の全ての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社員が加入する「厚生年金」の2階建て。
フリーランスは国民年金しか加入しないので、受給できる年金が会社員より少なくなります。
さらに、扶養家族がいる場合は、扶養家族の人数分、国民年金に加入しなければならず納付負担が大きくのしかかります。
会社員 | フリーランス | |
国民年金 | 将来受け取れる | 将来受け取れる |
厚生年金 | 将来受け取れる | 将来受け取れない |
扶養家族がいる場合 | 第3号被保険者の扱いになる | 人数分国民年金に加入しなければならない |
しかし、フリーランスでも老後に備えることは可能です。
将来の年金受給額を増やすことができる「国民年金基金」、廃業した時に共済金を受け取ることができる「小規模企業共済」、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」などを活用するのが一般的。
ちなみに、上記で挙げた制度は控除対象になるので、節税にも効果があると言われています。
ただ、その分を捻出するためには、頑張って月収を増やさないと・・・ですが。
03:フリーランスの場合、収入が安定しない
会社員との大きな違いは、月末が近づくにつれて元気がなくなること。笑
私の場合、今月請求できる案件がない=来月末の生活費がないことを意味します。
そうならないよう、2ヶ月、3ヶ月先の納品を見据えて、常に白地案件の確保に努めていますが、年単位ではどうなるかわかりません。
実際、定期的にお仕事をいただいていた制作会社さんは、どうやら資金繰りが悪いらしく、未払いが発生したため取引を停止しました。
未だ30万円ほど回収できていません・・・泣
会社員の場合、よほどのことがなければ給料の未払いは発生しません。1年間の給料が見通せないということもなく、心配なのはボーナスが出るかどうかだけ。
成果報酬型の会社員だと、同じようにドキドキするのかな・・・?
04:育休・産休取得時の制度に違いがある
フリーランスには育休も産休もありません。勝手に休むだけです。
会社員 | フリーランス | |
育児休業給付金 | あり | なし |
出産手当金 | あり | なし |
産休制度・育休制度 | 取得可能 | なし(自己都合) |
強いていうなら、国民健康保険料が本人分だけ4ヶ月間免除されるという「産前産後休業保険料免除制度」だけ。(出産育児一時金はもらうことができます!)
私は産休期間のみお休みすることにしましたが、体力的に復帰できるのか心配です・・・
05:有給・ボーナス・ローンに違いがある
フリーランスには有給もボーナスもありません。(ボーナスは会社員でもない可能性がありますが・・・)
世間的には信用がない働き方なのでキャッシュカードが作れない、ローンが組めない、家が借りられない等の弊害もあります。
傷病手当もないので、病気で働けなくなったら収入ゼロ。
この辺りのことも含めて、会社員の方が安定していると言えます。
フリーランスは収入源が確保できるかどうか
フリーランスとして働く場合、収入源が確保できるかどうかは重要です。
デザイン業界の話になりますが、「業界未経験だけど、フリーランスになりたいから、今の会社をやめてWebデザイナーになります」という方をちらほらお見かけします。
個人的には、正直スクールに通っただけで、案件が獲得できるかと言われると厳しいだろうなぁ・・・と思います。
クラウドソーシングサービス等も、レッドオーシャン状態。
価格で勝負する人も増えていますが、発注側は安定したスキルやクオリティを求めているので、実績ゼロの方とはマッチングしづらい傾向にあります。
これは、社会人に限った話ではありません。
私は、専門学校でデザインを教えていますが、学生の中にも「就職が厳しいのでフリーランスになります」と言う子もいます。
しかし、よく考えてみてください。
就職できるレベルのポートフォリオが出せない、コミュニケーションが取れない、そんな人に仕事を依頼すると思いますか?
厳しいことを言ってしまうようですが、現実はもっと厳しいです。
1年でも、2年でも、まずはパートやバイトでもいいので、会社勤めを経験してください。
仕事の流れ、立ち回り方、トラブル回避方法などを学ぶことができるので、いきなりフリーランスになるより、安定した生活を送ることができるはずです。
ちなみに私は、1社目で培ったコネと経験をもとに、案件を獲得しています。
独立してからお取引が始まった企業さんとは、ご紹介でご縁があったところばかりです。
副業で様子を見る
どうしても未経験でフリーランスとして働きたい。
そう思うのであれば、一度副業でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
副業禁止の会社だったとしても、見つかる頃にはきっとフリーランスとして活躍されていると思いますので、そこまで心配する必要はありません。
会社バレを恐れていきなりフリーランスになるより、その事業で自分がやっていけるのかを冷静に判断する方が大事です。
会社はあなたの人生を守ってくれるわけじゃないですからね・・・
ダメだった場合、環境を変える気概があるか
独立するときに不安だったので、当時フリーランスとして2年程働いている元同僚に相談してみました。
すると「ダメだったら会社員に戻ればいいし、バイトでもして足掻くつもりで独立したよ〜」と話してくれました。
私自身、3年経った今でも、いつ収入が途絶えるかと考えるとドキドキしてしまいます。
ですが、都度彼女の言葉を思い出して、
もし一定期間仕事がなかったら、別の仕事や働き方も視野に入れよう。
今はできることを1つずつ試してみよう。
と考えて、今自分ができることに取り組んでいます。
(ありがたいことに、PRの計画を意気込んで立てると、翌週ぐらいからドッと忙しくなって手がつけられなくなるんですけどね〜)
性格上向いているか
フリーランスは、1度開業届を出すと、なかなか廃業するのも億劫になります。
お客様が1人でもいたら、それだけで食えなくても、必要とされているから・・・と続けてしまいがち。
また、会社員に戻ることを「失敗」と捉えてしまい、落ち込んでしまう人もいます。
ただ、私はフリーランスほど向き不向きがはっきりしている働き方はないんじゃないかな〜と感じています。
私は、会社にとって少々扱いづらい人間だったので、フリーランスぐらいがちょうどいいかも・・・!
向き不向きを見誤ると、働くことがとても辛くなってしまうので、私なりにフリーランスの方に必要なマインドを3つ書き出してみました。
01:孤独な作業や不確定な収入に対する耐性があるか
まず、孤独に耐えられるかどうか。
特に一人暮らしの場合は、1日中誰とも会話しない、外出もしない生活がザラです。
私は独立した当初、結婚しておらず一人暮らしだったので、1ヶ月で気が狂いました。
具体的には
- 会話能力が格段に低下する
- 今日が何日の何曜日なのかわからなくなる
- 生きていて楽しくない
常に不安定で、コンビニで業務的な会話をするだけで、なんだか泣けてくるというレベル。仕事に対する不安が付き纏っていたので、仕事を自分で作り出して、1日中PCの前に座っていました。
ご飯を作ることがめんどくさくて、食パンばっかり食べていた記憶が・・・それがよくなかったかも。
愚痴を言える同僚がいない、誰も自分の作ったものに対して意見してくれない。
一見煩わしさから解放されるのですが、人と気持ちを共有できないことほど悲しいものはありません。
気付いたら1ヶ月で「同棲してほしい」と夫(当時は彼)に頼んでいました。
ウチ来る?行く行く!のノリ。
実際には、両家への挨拶もあったので、独立準備期間も含め4ヶ月程で孤独解消。
彼がいなければ、実家に戻っていたかもしれません。
02:自己管理能力があるか
仕事=嫌なもの。
そう思っていると、仕事をいただけるのになんだか嫌な気持ちがつきまとい、放り出したくなります。
フリーランスはいつどれくらい働いても、誰にも何も言われません。
ただ、受託業務の場合
- お客様が稼働している時間に連絡が取れない
- いつも電話に出ない
- 締め切りや時間を守らない
など、信用を無くしかねない行動は控えるべきだと思います。
中にはそういう方もいらっしゃるのですが、自分が会社員だった頃に、そういうスタイルの方と働くとすごくストレスだったので、自然と発注しなくなりました。
スキルはすごく高いのに、コミュニケーションが取れないと、「別の外注先にお願いしようかな・・・」と思ってしまいます。
自分自身を社会人として管理できるか。
フリーランスになったからといって、(悪い意味で)自由に働くというのは通用しないなぁと感じます。
実際に会社員の方からは「私だったら働きたくなくなるわ〜」と言われたことがあるので、ある程度仕事人間じゃないと難しいのかも。
03:チャレンジし続けられるか
会社員であれば、新しいことにチャレンジする場が自然と与えられますが、フリーランスはそうはいきません。
ビジネスの方向性を考えて、新しい情報をキャッチアップする必要が出てきます。
WEB業界だと特に感じますが、昨日の常識は今日の非常識くらい、情報に鮮度が求められます。
まず情報の鮮度を保てるかどうか。
次に新しいことにチャレンジする精神を持ち続けられるか。
私自身、独立当初から現在までで考えると
- 基幹システム開発の設計・ディレクション
- 取材・コピーライティング
- キャッチコピーの提案
- 挨拶状の代筆
をすることになるとは思いませんでした。(デザインのおまけレベルでの発注はあると思っていましたが、単体で発注があるとは思ってなかった)
自分のスキルを過信せず、常にアップデートすると仕事の幅が広がるかも!
結論:現実を見据えた総合的な判断が必要
独立することを人に話すと「甘いんじゃないか」「そんなんで食っていけるわけがない」と言われることもあります。
本人に直接言わなくても、陰で噂されることもあります。
ですが、自分自身が現実を見据えた上で「まずは挑戦してみる!」という気持ちであれば、後悔するケースは少ないと思います。
この記事を読むと、フリーランスという働き方はリスクばかりに見えたかもしれません。しかし、覚悟がある人は「それでも結果を出す!」と思えるはずなので、そういった方にはぜひチャレンジしてほしいなと思います。
覚悟が決まれば、独立準備。
以下の記事も参考にしてみてください。
それでは!